健脚揃い熾烈なV争い
ビッグレースに見劣りしない素晴らしいメンバーがそろった。平原康多、郡司浩平、新田祐大、佐藤慎太郎、新山響平のSS班が5名。更に令和4年はSS班を張っていた清水裕友と吉田拓矢。勝ち上がり戦から激しいスピードバトルが繰り広げられるのは間違いない。
狙いは絞りにくいが、この大会の実績を重視して平原を中心視した。62、66、69周年と3Vを達成している。毎年、立川記念から走り始めて次場所が地元の大宮記念という日程なので、暮れのグランプリが終わっても気持ちを緩めることはない。グランプリに向けて蓄えた脚力を遺憾なく発揮して主役を演じる。基本は自力勝負だが、連係実績が豊富な吉田拓矢との連係が叶うようなら前を任せよう。その吉田は70周年のこの大会の覇者。令和4年はグランプリ出場を果たせず、SS班の座は明け渡したものの、GIIIで3Vを飾るなど存在感は示していた。平原に前を任されれば強気に攻める。
総合力なら北日本勢に軍配が上がる。寛仁親王牌で優勝し、グランドスラマーの称号を得た新田祐大、競輪祭でタイトルホルダーの仲間入りを果たした新山響平、更に重鎮の佐藤慎太郎が控えている。競輪祭の決勝は、新田が北日本ラインの先頭で積極的に駆け、番手を回った新山のGI初Vに貢献したが、ここは新山が北日本ラインの先陣を受け持つと見るのが自然だ。ナショナルチームからは離れた新山ながら、培ったスピードには素晴らしいものがある。好機に仕掛けて主導権を握れば、新田が首位に躍り出る場面は大いにあろう。その展開なら佐藤も連に浮上してくる。
4年連続のグランプリ出場を果たした郡司浩平も有力な優勝候補だ。11月防府記念の決勝で落車したが、競輪祭では12❶①❷着とオール連対の準V。単騎ながらダイヤモンドレースを制すなど、俊敏な立ち回りと素晴らしいスピードを披露していて、影響はまったく感じられなかった。松井宏佑、内藤秀久の神奈川勢との連係から勝機を見い出す。
この大会は67、68周年を連覇するなど、相性がいい清水裕友の単にも魅力を感じる。22年のグランプリは無念の補欠となったものの、ウィナーズカップで前年に続き運覇を飾ると、地元の11月防府記念では、4日制GIII同一大会5連覇の金字塔を打ち立てた。好位確保から自力を出せれば大会3V目ゲットもありうる。
北津留翼もこの大会は65周年を制した実績がある。とにかく勝ち星が多く、一昨年、昨年と40勝を上回った。競輪祭では一次予選2、二次予選Aと立て続けて逃げ切りを決めるなど、自力攻撃の破壊力に陰りは見られない。仕掛けがツボにはまれば優勝をさらっても不思議ではない。
主な地元出場選手
記者推奨選手
先行に徹してステージを上げてきた。先行力はGIII開催でも通用していて、10月京王閣記念、11月富山GIIIで決勝に乗っている。トルクがあるので、重い冬場の立川バンクも苦にしないはず。
調子を落としていたときもあったが、ここに来て伸びが甦った。10月平塚で優勝をゲットすると、その後も11月富山GIIIでは24②❷着、同月和歌山❶③➌着と好成績。上位戦でも目が離せない。